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恩田陸氏ライオンハートに関する考察(解釈)

2018年夏。
毎日暑いですね
私は毎日仕事やらPTAやらでてんやわんや・・・

さて、早いもので下の子ももう中3。
受験のため、今年はどこかに旅行に行くこともなく、
夏休みの読書感想文のために読書にいそしんでおります。

が、友達から勧められた本を読了したものの、

「意味分からん (-''-)」

とその本で感想文を書くことを断念。
他の本を読み始めました。

おいおい、どんな話やねーーーーん
と逆に興味を持って私も読んでみました・・・が、確かに

「分かんねー (゚∀゚≡゚∀゚)アハハハハ」
えー、この人たち、生きてるの?死んだの?
行方不明?は?ライオンハート???はい~?

てな感じ(笑)。
ちなみにその本とは恩田陸さんの「ライオンハート」



恩田陸さんは本屋大賞を2回も受賞した言わずと知れた有名作家さん。
昨年も親子で蜜蜂と遠雷を読んだのですが、作風がまったく違って(「蜜蜂~」は分かりやすい設定。ストーリー展開。)、え?同じ作家さん?と驚きました。

だけどとても不思議で惹きつけられる話だったのでもう少し真面目に読んでみて、その解釈を息子に話したところ、
「あっ!そういうこと(゚∀゚)!」(やっと分かったか!)
「まあ、俺もそう思ってたけど(-∀-)。」(嘘つけ(*`皿´*)ノ!)

と、少なくとも当家の中ではナットク。
ちなみにどんな話かというと・・・

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

≪小説そのままの構成≫

第一章:エアハート嬢の到着
<1978年> 
エドワード(70代?):名誉教授。ライオンハートの言葉を残し行方不明。
エリザベス(24、25歳):未来ある記者。イングランドがわたしのライオンハート。
②から34年後
<1932年> 
エドワード(青年):自殺未遂
エリザベス(12歳):エドワードを自殺未遂から救い、ハンカチをエドワードに遺し死亡(①)
※1932年のエドワード(青年)が1978年(老人)のエドワードに

第二章:春
<1944年>
エドワード:登場せず(30代?)
エリザベス(10歳):前回死亡(①)から12年後。空襲で死亡(②)
<1871年>
エドワード(エドゥアール):青年軍人(フランス人)。落雷によりハンカチをエリザベトに遺し死亡③
エリザベス(エリザベト):若妻 (イギリス人)。


第三章:イヴァンチェッエの思い出
<1905年> 
エドワード(30代前半):技師 。変装し、偽名を名乗っていた。
エリザベス(老齢):エドワードに会いたいと願っている

天球のハーモニー
<1603年>
エドワード:夢の中の人物 。1978年のエドワードが1603年のエリザベスに会いに来た?
エリザベス(老齢):死の床にあり、“エドワード”に対する罪の意識にさいなまれている。
幼い弟エドワードがプレゼントしてくれたハンカチを大事にしているが夢の中のエドワードにそれを託す。

第四章:記憶
<1969年>
エドワードとエリザベスはさまよっている。
<1855年>
エドワード(初老?):夢の中のエリザベートに恋焦がれている。
エリザベス(初老?):記憶喪失で自分の名がエリザベートであることを忘れている。

エピローグ
<1978年> 
エドワード(70代?):あいかわらず行方不明。
エリザベス(24、25歳):エドワードの部屋を訪ね、管理人からハンカチをもらうものの、すぐに気持ちが切り替わり、レコードを買ったり彼氏に会いに行ったりする。

―完―

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

ねー、ワケ分からないでしょー(゚∀゚)?

このように元の小説は時系列が入り組んでいて説明がしづらいので息子に説明するために時系列にしてみました。
以下ネタバレなので未読の方はご注意を!
また、解釈はいろいろだと思いますので、あくまで「一意見」としてご容赦ください。

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≪時系列エピソード&解釈≫

<1603年>
エリザベス(老齢):死の床にあるイングランド女王。
弟“エドワード”をはじめ、王位を巡り不遇の死を遂げた“エドワード”に対する罪の意識にさいなまれている。

自分が男に生まれてさえいれば、弟であるエドワードが無理に王位につかされ、早世しなかったのでは?
親族の女性や母も男子不在による王位継承をめぐる不毛な争いから処刑されることはなかったのでは?
との思いから“エドワード”を幸せにしたいとの妄執を残す。
(弟にもらった大事なハンカチを夢のエドワードのケガの止血のため彼に託す)

<1855年>
エドワード(初老?):幸せな結婚をしているはずなのに夢の中のエリザベト(=エリザベス)に恋焦がれている。
エリザベス(初老?):記憶喪失で自分の名がエリザベートであることを忘れている。
2人は同年代に生まれ、結婚し、結ばれ、幸せなはずがエドワードが「エリザベスさえいれば幸せになれる」との依存心から不幸な時間を過ごす。
2人は同時期に死亡か?

<1871年>
エドワード(エドゥアール):フランスの青年軍人。エリザベトをかばい、落雷により死亡。
エリザベス(エリザベト):イギリス人の若妻。

2人は同年代に生まれたものと思われる。
(エドゥアールは1855年のエドワードの娘がフランスに嫁いでできた子供)
しかし、エリザベスは前世(?)の反省からか、エドワードとは結ばれない幸せを選ぶ。
一方、エドワードはエリザベスへの思慕が強く、自分を慕う女性(学長の娘)に関心が持てない。
しかし、エリザベスに一方的に幸せにしてもらうのではなく彼女をかばい、自らが死亡する強さを持ち合わせる。
ハンカチをエリザベスに託し亡くなる。

なお、本章のエドワードは最低でも17歳以上であり、1855年のエドワードの生まれ変わりではないことが示唆される。
1905年の章で生まれながらに記憶を継承する可能性について議論されており、一族で記憶が継承されたとの位置づけか。

<1905年> 
エドワード(30代前半):技師 。他人の罪をかぶれる勇気ある青年。恋人の存在は不明。
エリザベスのことは恋愛の対象ではないが恋焦がれている。
エリザベス(老齢):エドワードに会いたいと願っている。

1871年にエドワードは一度亡くなり、エリザベスは生き延びたことから二人の年齢はすれ違う。
2人は互いを恋愛の対象としては求めないが、互いの存在を求めあい、心に苦しさを抱いた人生を歩んでいた。

<1932年> 
エドワード(青年):エリザベスのことは忘れかけ、他の女性に恋をするが失恋のショックなどから自殺未遂を図る。
エリザベス(12歳):エドワードを自殺から救うため死亡(エドワードにハンカチを遺す)。
助けたエドワードに「わたしのらいおんはーと」との言葉を残し他界。

前回、エリザベスが母、エドワードが息子ともいえる年齢であった影響からか、未熟な青年エドワードをエリザベスが救う。
一方のエドワードはエリザベスに会ってもピンとこない程度には彼女の必要性は薄れている。
自分の命を差し出すほど勇気を出せる対象として「わたしのらいおんはーと」との言葉をエドワードに残したか(このことによりエリザベス1世時代から抱いていた、「エドワードを守れなかった」との罪悪感から、エリザベスが徐々に解き放たれる)。

<1944年>
エドワード:登場せず(30代?)
エリザベス(10歳):前回死亡(①)から12年後。空襲で死亡。
1932年のエピソードが真実であったことを示す象徴か?
空襲の際、ママに助けを求めたように、人に心を許せるようになっている。
死の際にエドワードを思い出し、彼への思いを残す(幸せにしているか心配であったか?)。

<1969年>
エドワードとエリザベスはさまよっている。
(1603年の衣装と思われる二人が目撃されている)
エドワード、時空を旅する能力を持った?

<1978年> 
エドワード(70代?):
失恋や実家の没落から一時自暴自棄になったが、エリザベスに救われ、その後自らの努力で名誉教授に。
(エリザベス以外の女性と幸せな家庭を築いた様子)。
1932年に少女のエリザベスに助けられた経験から、いつかエリザベスを助けたいとの思いを抱いていた。
死の床に伏したエリザベス1世が時空を超えて1978年のエドワードに会いに行ったことからエリザベス1世が“エリザベス”であると悟った。
ライオンハートの言葉を残し行方不明に。
1603年のエリザベスに会いに行き、彼女の魂を救う。
ライオンハートはエリザベスの勇気ある行動への賞賛と、自分自身が時空を超えて消えてしまうことに対し、勇気を奮いたたせる言葉か。

エリザベス(24、25歳)
自分の過去であったエリザベス1世がエドワードに救われたこと、また、エドワードが自分自身で幸せになる力を得たことから“エドワード”の呪縛から解き放たれる。エドワードに懐かしさは感じるものの、ハンカチをもらってもピンとこない。
たばこをたしなんだり、恋人を持ったり、ついに自分自身の幸せを追求できるようになる。
イングランドがわたしのライオンハート。
いろいろあったが、イングランドに生まれ、さまざまな場面で勇気をふるえ、自分を認められるようになった母国をたたえる言葉か。


全編にわたり「ハンカチ」が二人の結びつきを示す象徴として登場する。
主に「助ける側」が「助けられる側」に。
1603年にエドワードが預かったものを最後にエリザベスに返還し、エリザベスはエドワードのいない新しい世界へと勇敢な心(ライオンハート)をもって歩きだし、物語は完結する。

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以上!

暑い夏。室内での時間が多くなった方など、
気になったら読んでみてくださいね~( ^ω^ )ノ~~

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